創作昔話「甘い言葉に、ご用心!」


創作昔話「甘い言葉に、ご用心!」

 

今年は大雪ですね!!

コチラ地方、雪国ですが、平野部なのですが、。。。

豪雪地域よりも大雪になっています。

毎日、雪堀に励んでいます。

仕事には、歩いて行こうとしたのですが、除雪車で通行止め!!

仕事場も昨日、今日は閉鎖となりました。

 

子どもの頃は、しんしんと雪が降るところでした。

いわば、豪雪地帯でしたよ。

雪の降るなか、囲炉裏を囲んで昔話を聴くのもいいですね^^

 

クリオネ文筆堂

創作昔話 「甘い言葉に、ご用心!」-クリオネ文筆堂 (greensaster.blogspot.com)

 

 創作昔話 『甘い言葉に、ご用心!』

 

原作:クリオネ  監修:ぴいなつ

 

昔、むかし…

 

ベゴ森と呼ばれる森の中に1匹の若い女キツネが住んでいて、その可愛らしさから村人たちに[お小夜キツネ]と呼ばれていました。

この、[お小夜キツネ]は、とても好奇心が強くて負けず嫌いで、まだ小さい頃に着物姿の女性に化けて、キノコ採りにやって来た甚四朗という男の人を騙そうとして、逆に捕まり「二度と人を騙さないように!」と強く説教され、山へと帰されたのでした。

しかし、負けず嫌いの性格から、「絶対に、村一番の化け方上手になってやる!」と、辛い修行に励み、それはそれは美しい女キツネに成長したのです。

それでは成長した、[お小夜キツネ]の、お話をどうぞ。

 

ある夏の夕方、馬を曳きながら一人の男が新井田川から土手へと上がってきました。

「さぁ~もう冷えだべ!メドツが出る前に家さ帰ろう…」

と、馬を新井田川で水浴びさせ夕暮れを背に歩いていると、前から美しい娘がやって来て声を掛けてきたのです。

 

「今晩は、留吉さん。今、お帰りですか?」

「じゃー!おめぇ誰だ?オラ~おまえさんのごど知らないじゃ」

「私は、お小夜という者で、この近くでお店をやっているのです。よろしかったら、お立ち寄りください。お酒をごちそうしますよ」

めっぽう酒が好きな留吉は馬をそこにある立ち木に繋ぐと、お小夜という娘の後を付いて行った。

 

まもなく、立派な店がそこにあった。

「留吉さん、お酒の準備をしますから、先にお風呂に入ってください。あとで背中を流しますから」

娘が、たいそう風呂を勧めるので留吉は、裸になりドボンと湯船に飛び込むと…

「でったらだ風呂だなぁ~!こったらだに大きがったら泳げるべ?」

留吉は、広いお風呂でごきげんになりイイ気分で、しばらく鼻歌をうたっていました。

そこへ…

 

「留吉、何やってらっきゃ?おめぇ~、頭いがれだのが?」

留吉は、友達の庄三郎に声を掛けられたのです。 

「なんど?」

ハッと我に返った留吉は、辺りを見わたすと田んぼの中で泥まみれになっている自分に気がつきました。

「ハハハッ!おめぇ~お小夜キツネに騙されだな?ハハハハッ」

「じゃー!やられだじゃ」

「したども、お小夜キツネは一番の化がし上手だ、仕方がながんべ」

と、庄三郎は留吉を慰めたのでした。

 

二人は、すっかり暗くなった夜道を歩きながら、家へと向かいました。

「留吉、おめぇ~眉に唾つけだのが?」

「いや、やってねぇ~」

「したすけ狐に騙されるんだ!夕方や夜に道を歩ぐどぎは、昔がら狐に騙されないように眉に唾をつけだもんだ」

 

留吉はシュンとなりながら…

「じゃ!わ~馬を置いできたじゃ。さぁ~戻るべ」

「おめぇと違っで、馬は利口だすけ狐に騙されねぇ、先に帰ってらべな!」

庄三郎が大笑いするなか留吉の家に着くと、馬は先に帰っていましたとさ。

 

こうして、お小夜キツネは夕方になると里へとやって来ては、村の男どもを騙すのでした。

でも、騙される村の男たちは、みんな正直で真面目な者ばかりでした。

それは、お小夜キツネが気持ちの優しいキツネであり、真面目一片の不器用な男たちへの鼓舞でもあったのです。

 

どっとはれ。

 

[END]

 

 

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いつも、ありがとう♪

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